どうも!FXトレーダーのみつしろです。
今回は「ローソク足を徹底的にマスターしよう」というテーマでお話していきたいと思います。
- 基本的なローソク足の種類と味方
- ローソク足のパターンで初心者が陥りがちな罠
- 勝つための重要パターン
- エネルギーや心理学を応用したチャートの分析法
- ローソク足の勉強法
などを中心に、トレード歴14年で13年間負けなしのFXトレーダーのみつしろがお話していきます。
では、早速始めていきましょう!
目次
- 【基本編1】 ローソク足を勉強するメリット
- 【基本編2】 ローソク足チャートとは?
- 【基本編3】 ローソク足チャート基本の見方
- 【基本編4】 ローソク足の代表的な種類
- 【基本編5】ローソク足のパターン分析で初心者が陥りがちな罠
- 【基本編6】ローソク足の重要パターンとは
- 【基本編7】ローソク足の分析実践編
- 【基本編まとめ】ローソク足の読み方
- 【応用編1】シグナルを覚えて都度判断するのは大変!
- 【応用編2】 ローソク足分析の基本!支持線と抵抗線
- 【応用編3】 実際のトレードで分析するときのポイント
- 【応用編まとめ】ローソク足分析
- 【発展編1】 ローソク足の本・FX初心者におすすめ
- 【発展編2】 ローソク足の本・中級者〜向け
- 【発展編3】 ローソク足チャート分析の勉強法5ステップ
- 【まとめ】ローソク足徹底マスター
【基本編1】 ローソク足を勉強するメリット
ローソク足チャートを勉強しないでトレードをするとどうなってしまうのか? 勉強すると何が良いのか?
ローソク足を勉強するメリットから確認しよう!
1-1 チャート分析のないFXはギャンブルと一緒
ローソク足を始めとした「チャート分析」とは、過去の為替の値動きを記録したチャートから相場の方向性や勢いを読み取り、少し先の値動きを予想する方法です。
もちろん未来は誰にも分からないので100%当てることはできませんが、チャートには繰り返し似たような形が登場する「パターン」が存在し、「ここまでこんな流れで来たから、次は多分こうなるだろうな」とシナリオを描くことができるのです。
シナリオと言えば映画ですが、映画のストーリはチャートパターンによく似ています。
ハリーポッターとドラえもんは全く別の映画で、中身は全く違いますが、枝葉を省いてストーリーの流れだけを見ると実は良く似ています。
冴えない日常を送っていた主人公の前に、特別な存在が現れて冒険が始まり、仲間と一緒に悪者をやっつけて成長して帰ってくる…
そんな共通のストーリーの構造に、色々な設定やキャラクターが肉付けされて別の映画になっています。
例えば、予想では上昇するはずだったのに、逆に大きく下落して、放っておいたらどんどん含み損が大きくなってしまう状況だったら、どうするでしょうか?
相場に参加している大多数の人が同じような考えで売り注文が殺到すると、ますます価格は下落して勢いがつきます。
そこへ、売りが優勢と見て新規で売りからエントリーする人も現れて、下落トレンドができる、というわけです。
無機質に見えるチャートですが、こんな人間心理で動いているんですね。
トレーダーで投資家のバーナード・バークは、市場で利益を上げることについて次のように述べています。
全てを諦め、市場の歴史を背景を余すところなく勉強し、全上場主要企業について医学部の学生が解剖をするかのごとく注意深く研究する。
これらすべてのことができて、さらにギャンブラーのような冷徹な神経を持ち、投資能力者の第六感を持ち、ライオンのような勇気を持っているのなら、わずかながらチャンスを得ることができるだろう
引用:PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則, レイ・ダリオ(著), キンドル位置No.681
カンに頼ってギャンブルのようなトレードをしていると、たまたま勝てることはあっても勝ち続けることはできません。
かえって自己流で変なクセがついて大負けし、資産を失ってしまう人さえいます。
1-2 値動きや勢いが一目でわかる
上の画像はラインチャートといって、FXのチャートです。シンプルですね。
では、なぜローソク足チャートがメインで使われているのかというと、ローソク足には「始値・終値・高値・安値」の4つの数値が含まれていて、「終値」だけをつないだラインチャートよりも情報量が多いからです。
ラインチャートと同じ期間のローソク足チャートがこちら。
だいぶギザギザしてますが、1本のローソク足だけでも形や大きさから細かい値動きが読み取れるようになっています。
しかも、視覚的に分かりやすいのが特徴。
1-3 組み合わせからサインが読み取れる
ローソク足が2本並ぶと、その前後で高値・安値がどう動いたかを比較することができ、相場がどう動いているのかが分かります。
例えば、高値と安値が両方とも切り上がっていればその後上昇の可能性が高くなり、逆に高値も安値も切り下がっていれば下落の可能性が高くなります。
高値と安値が両方とも更新される、または両方とも更新されない場合は売りと買いの勢力が拮抗していて、相場に方向感覚がない状態を表します。
さらに、複数のローソク足の組み合わせのパターンからも上昇・下落のサインがわかります。
例えば、上の図のように下落トレンドの最中に、太い部分(実体)は短いのに細い線(ヒゲ)だけが長くしたに飛び出た形のローソクが出現したら、その後は上昇するサインになります。
という質問にお答えして次は、
- ローソク足の特徴や歴史
- ローソク足チャートの読み方
などを説明していきます。
【基本編2】 ローソク足チャートとは?
FXで通貨の値動きを予測するための方法として、以前「テクニカル分析」と「ファンダメタルズ分析」があるという話をしました。
テクニクカル分析というのは、過去の通貨の値動きを表したチャートの形から通貨の値動きの分析するのに対して、ファンダメンタルズ分析は社会の情勢などより大きな流れから分析するという方法でした。
ローソク足というのは、主にテクニカル分析で使う指標の一つです。
ローソク足チャートとは、為替や株価などの値動きを時系列に沿って図(チャート)に表す方法の一つです。
ローソクのような形の縦棒が並ぶことからその名前がつけられました。
例えば1日とか4時間、10分、と言ったように時間を区切って、
- その期間中に初めについた値段を始値(はじめね)
- 最も高い値段を高値(たかね)
- 最も安い値段を安値(やすね)
- 最後についた値段を終値(おわりね)
として、1本1本のローソクがの4つの数値「四本値(よんほんね)」を示すようになっています。
- 始値より終値が上がったものを陽線(ようせん)
- 始値よりも終値が下がったものを陰線(いんせん)
と呼び、色を分けて区別します。
陽線を白、陰線を黒で表すことが多いですが、色については特に決まりはありません。
通貨の値動きを予測するために必要な情報が凝縮されたのがローソク足なのです。
そのローソクを時系列に並べて、価格の変動をグラフにしたものがローソク足チャートです。
2-1 ローソク足チャートの特徴
ローソク足がローソクの色と形で四本値を表現するのに対して、バーチャートは縦の棒と左右の短い横棒で始値と終値を表します。
バーチャートは見た目がシンプルなため、チャートの形が分りやすかく目安のラインを引きやすいメリットがあります。
ローソク足は、ローソクの色の違があるので、1本のローソクの期間内に価格が上がったのか下がったのかが一目でわかるのが特徴です。
2-2 ローソク足チャートの歴史
ローソク足は江戸時代に出羽国(現在の山形県酒田市)の本間宗久(そうきゅう)という人が発案し、大阪で米の先物取引に用いたとされています。
酒田の本間家は「本間さまには及びもないが、せめてなりたや殿様に」という唄が流行り、「本間さまの土地を踏まずには酒田から出られない」と言われたほどの豪商&大地主でした。
商家でありながら、「公共事業に全力を尽くし、公益のためには財をおしむなかれ。」を家訓に掲げ、冬場の農民に雇用を作るための庭園造成、強烈な海風を防ぐための防砂林の植林などに莫大な私財を投じます。
そのため、本間家は地域の人々からもたいへん尊敬される存在でした。
その本間家の巨大な富を作るのに大きな役割を果たしたのが、本間光丘の弟、宗久です。
江戸で見聞を深めて米相場の投機を提案すると、最初は「投機は商いの正道ではない」と父親から拒絶されますが、後に和解。
米相場の投機で得た利益は公共事業に投じられ、また、諸藩に貸付を行ってさらに莫大な財産が築かれました。
ローソク足のチャート分析の体系「酒田五法」の名前にその名残があります。
2-3 こんなに使われている!ローソク足チャート
日本生まれのローソク足チャートですが、現在では日本国内だけでなく、世界中のヘッジファンドや個人投資家が最も基本的なチャートの一つとして利用するようになりました。
ローソク足の分析は国内外で研究が進み、海外ではプライスアクション(price action)として体系化され、相場分析に用いられています。
【基本編3】 ローソク足チャート基本の見方
では、ここからはローソク足チャートの基本的な読み方・使い方を解説します!
3-1 各部位の呼び方
図のように始値と終値の間の太い胴体部分を「実体」と呼びます。
期間中の高値と安値は上下に飛び出た「ヒゲ」で表されます。
始値終値の中だけで価格が推移すると、ヒゲのない陽陰線に‥
始値と終値が同じだと、実態がない十字の形になったりもします。
3-2 ローソク足で分かる「四本値」
ローソク足から分かる「四本値」を改めて見て見ましょう。
チャートの画面を見ただけだと正確な価格はわかりませんが、どのツールでも四本値の詳細が表示できるようになっています。
0.1pipsの違いで流れが変わることもあるので、目視だけでなく「四本値」で確認しよう。
3-3 ローソクの形で分かる値動き
始値・終値・高音・安値がわかると、1本のローソクから次のような値動きがイメージできます。
陽線だったら、実体の下端の始値(値動きのスタート地点)から入って、途中どこかで安値と高音をマークしてから最終的に終値(値動きのゴール地点)で引けました。
陰線ならこんな感じ。
「陽線」は、期間終了時に通貨の値段が上がっていることを表していて、「陰線」は期間終了時に通貨の値段が下がってることを表しています。
安値と高音はどっちが先なのか、途中はどんな値動きだったのかまでは分かりませんが、期間全体の流れはわかりますね。
3-4 ローソク足の期間
ローソク足の期間の表示はトレードソフトで設定できますが、短期売買になるほど短い時間、長期投資なら長い時間にします。
1日区切りの足が「日足(ひあし)」、1週間だと「週足(しゅうあし)」、1ヶ月だと「月足(つきあし)」と言います。
日足や週足はスイングトレードや中長期のトレードで使われます。
デイトレードやスキャルピングでは、1時間、4時間などの「時間足(じかんあし)」や5分、10分などの「分足(ふんあし)」もよく使われます。
ちなみに何本かのローソク足をまとめると長い期間の足と同じになります。
例えば8時間足なら3本まとめると日足と同じになります。
それぞれのローソク足の特徴としては、時間足を長くすればするほど、ローソク足の情報がどんどんマクロになっていくので、より大きな全体像が見えることができます。
その反面、細かい値動きは分かりにくいんです。
チャート分析のコツとしては、先に週足、日足などの長い時間足で大きな流れを確認してから時間足・分足で細かい動きを見ていくと良いでしょう。
【基本編4】 ローソク足の代表的な種類
ここからは、代表的なローソク足の種類をピックアップして解説しましょう。
4-1 大きな実体は勢いのあるサイン
まずは、実態が特に大きくて、ヒゲは短いかほとんどないローソク足です。
チャートには、こんな感じで現れます。
このように過去のローソク足と比べて実体が長く、チャートの中でも大きく目立つ陽線を「大陽線」と言います。
大陽線は上昇トレンドの初期によく登場しますが、高値圏で現れると勢いを使い果たして一気に下落に転じる場合もあります。
次の画像は陰線バージョンです。
過去のローソク足と比べて大きな陰線は「大陰線」と呼びます。
大陰線も現れる位置や前後の値動きによってサインが変わり、その後も下落が続くか、または反発して上昇します。
4-2 長いヒゲは流れの転換点
ここまでローソク足の基本を見てきましたが、もう一つローソク足には非常に重要な指標が含まれています。
それが「ヒゲ」と呼ばれるこの部分です。
「ヒゲは高値と安値を表しますよ」と簡単にお伝えしましたが、実はそれだけではありません。
ヒゲは、これからの値動きが「下がるのか」「上がるのか」、どちらの方向に行きやすいのかを教えてくれます。
それを知るためにまず、押さえておいた方が良い考え方は、相場というのは常に「上昇」と「下降」を繰り返しているということです。
ずっと値段が上昇し続けるということはないですし、ずっと値段が下降し続けるということもありません。
上昇したらその分だけ、下降の反動がどこかできます。それが相場の原理原則です。
ポイントは、ヒゲを見れば、「これから下がる方向にエネルギーが蓄積されている」のか「これから上がる方向にエネルギーが蓄積されている」のかがわかるということです。
実際にいろいろな例を見ていきましょう。
このローソク足1本だけでも、下落から上昇へと流れが変わったのが分かりますね。
ずっと下落が続いてきて、底値圏にこのローソク足が現れたらトレンド転換のサインとなります。
実際のチャートでも、下落から上昇へと流れが変わるポイントによく登場していますね。
ちなみに、陰線だと少し弱いですがほとんど同じ意味になります。
上に長いヒゲのローソク足は、逆に上昇から下落への転換サインです。
長いヒゲのローソク足も重要なサインになることが分かったと思います。
重要なのは、このように相場のエネルギーの偏りを見つけることです。
シンプルです。
下がる方向にエネルギーが偏っていれば、これから上がる可能性が高いし、上がる方向にエネルギーが偏っていれば、これから下がる可能性が高いというだけです。
相場の動きをエネルギーとして捉えることで、シンプルにローソク足の情報が読み解いていけますよ。
<div class=”box28″><span class=”box-title”>みつしろの視点</span>
4-3 短いローソクは迷いのサイン
最後は、実体もヒゲも短い小さいローソク足です。
このように、買いと売りの勢力が拮抗して相場に方向性がないときは、エントリーしないで様子を見た方が良いでしょう。
【基本編5】ローソク足のパターン分析で初心者が陥りがちな罠
ローソク足の勉強を始めようと思ったら、まず本屋で、沢山のチャートパターンが図解で説明されてる本を買う方が多いと思います。
で、これは実際にやってみたらわかるんですが、そういった本に書かれている沢山のローソク足パターンを一通り覚えようと、勉強しても、実際のトレードでは、勝てないということが多いんですね。
理由は簡単です。
一気に、たくさんのローソク足のパターンを無理やり詰め込んでも、深く理解できていないので、実践に活かせないからです。
これは「料理を上手くなりたい!」と思って、レシピがたくさん載ってる本を買って、あれこれ作ろうとするけど、結局、どれも得意にならないままになってる人と同じです。
本当に料理上手になる人って、そんな練習の仕方をしません。
まずは、定番料理を繰り返し作ってるんですよね。
そして、レシピを見なくても作れるくらい得意料理になってから、次の料理も身につけていくんです。
FXの上達法も同じです。
最初は重要パターンだけを反復練習して、徐々に新パターンを覚えていくのが上達のコツです。
FXの本に沢山のチャートパターンが載ってたとしても、焦らず、重要パターンだけを1つ1つ身につけていけば大丈夫です。
そもそも、沢山のパターンが載ってる理由って、知的欲求を満たすためだったり、お得感をだすためだったりするんですよね。
読者がトレードで勝てるように沢山の種類が載ってるのではなく、単なる販売戦略で色々載ってるだけということも多いんです。
なので、そういう使えないパターンは省いた、勝つために厳選した「ローソク足の重要パターン7選」を解説していくので、まずは、きちんと理解して身につけてみてください。
今回はローソク足のシグナルをまとめて解説したいと思います。
代表的なシグナルを知っておくと、相場の流れを把握してエントリーの判断をする材料になります。
そこでローソク足の示す買いシグナルと売りシグナルを一気にご紹介します。
全部を覚える必要はありませんが、「こんな値動きの時にはこういう心理が働くんだな」という感覚をつかんでもらえたらと思います。
5-1 ローソク足単体のシグナル
1本のローソク足には、期間内の始値、終値、高値、安値の4つの価格の情報が詰まっているとお伝えしました。
そのため、部分的にですが相場の流れを把握して、その後の値動きを判断できるんですね。
復讐ですが1本の陽線からは、こんな値動きが読み取れますよね。
もっとも、長期的な相場の流れや、その足が出現するのが底値なのか高値なのか、上昇または下落トレンドなのか、などなど状況によって意味合いが変わってくることもありますが、足1本ごとのシグナルも知っておくと流れをとらえやすくなります。
以下では、1本のローソク足から読み取れる買いシグナルと売りシグナルをまとめました。
それぞれ、上からシグナルの強い順に並べています。まずは買いシグナルの方から見ていきましょう。
5-1-1 ローソク足単体の買いシグナル(上昇サイン)
大陽線
実体が長く、価格の上昇幅が大きい陽線です。
強いトレンドの始まりに現れ、上昇のサインとなります。
陽の丸坊主
ヒゲがなく、始値=安値、終値=高値と一本調子に上昇したことを表す陽線。
上昇相場によく見られ、強気でしっかりとした上昇のサインとなります。
陽の大引坊主
上ひげがない陽線で、始値から少し下げたものの引けにかけて上昇した形です。
買い勢力が強いことを表します。
陽の寄付坊主
こちらも基本的に買いの勢力が強めですが、高値から少し下落して引けているため、やや弱気なサイン。
下影陽線・下影陰線
長い下ヒゲが特徴の下影陽線と下影陰線は、一旦下落してから押し戻されて始値前後で引けていることを表します。
下ヒゲの長いローソク足が底値圏に現れると、強い上昇トレンドが始まる可能性が高くなります。
トンボ
実体がなく下ヒゲだけが伸びたトンボは、下落しても押し戻されて始値まで戻ったことを表します。
下落トレンドの底値圏にトンボが現れたら上昇トレンドに変わる可能性が高く、買いシグナルとなります。
5-1-2 ローソク足単体の売りシグナル(下落サイン)
大陰線
実体が長く、価格の下落幅が大きい陰線です。
強いトレンドの始まりに現れ、下落のサインとなります。
陰の丸坊主
始値から終値にかけて一貫して下落し、売りの勢力が強いことを表します。
陰の大引坊主
始値から少し上がった後、大きく下落している売りのシグナル。
今後も下落していくことが予想されます。
陰の寄付坊主
上記の2つに比べるとやや勢いは弱いものの、売りの勢力が強め。
上影陰線・上影陽線
長い上ヒゲが特徴の上影陰線と上影用線は、上昇トレンドの終盤によく現れます。
一瞬、高値を記録してから、買いで入った人たちの決済売りに押し戻されるなどして押し戻されている状態。
天井圏に登場したら、下落していく可能性が高いサインとなります。
トウバ
いったん上昇してから押し戻され、始値=終値になったことを表すローソク足。
売り勢力が強く、特に上昇トレンドの天井圏に登場した場合は下落に転じる可能性の高いサインです。
5-1-3 ローソク足単体の様子見サイン
売りシグナルと買いシグナルの他にもう一つ、どちらでもない「様子見サイン」もあります。
小陽線・小陰線
実体もヒゲも短いローソク足、別名「コマ」とも呼びます。
トレンドがはっきりせず、上昇と下落が同じような力で押し合っている状態で、様子見のサインとなります。
足長同時線・四値同時線(寄引同時線)
始値と終値が同じで、上下のヒゲの長さが同じくらい、または全く値動きのない場合も、どちらに動くか不明な様子見のサインです。
5-2 ローソク足の組み合わせのシグナル
複数のローソク足を組み合わせると、より大きな流れの中でのシグナルを読み取れます。
基本となる2本のローソク足の組み合わせから見ていきましょう。
5-2-1 2本のローソク足のパターン
はらみ足
比較的大きな陽線・陰線の次に、小さいローソク足がすっぽり収まっている形を「はらみ足」と言い、相場の転換点のサインになります。
大きな陽線に小さな陽線が収まる「陽の陽はらみ」は、高値で現れると買いの勢いが衰えた下落のシグナルとなります。
2本目が陰線の「陽の陰はらみ」が上昇局面で出てきたときは、3本目が陽線なら上昇継続、陰線なら下落のシグナルです。
「陰の陽はらみ」もその次の足で上昇に転じるか、更に下落するサイン。
「陰の陰はらみ」は底値圏で現れると上昇シグナルになります。
つつみ足
「つつみ足」は、前の足を包むようにかぶさる2本のローソク足の組み合わせです。
はらみ線とは逆に、小さな足の後に大きな足が続きます。
陽線と陰線のつつみ足は1本にまとめると上ヒゲ陰線と同じで、天井圏に出現した場合は反転して下落のシグナルになります。
陰線と陽線のつつみ足は1本にまとめると下ヒゲ陽線と同じ。
底値圏に出てきたら反転して上昇のサインです。
5-2-2 ローソク足組み合わせの上昇シグナル
続いて複数のローソク足の組み合わせの代表的なパターンを上昇シグナルと下落シグナルそれぞれ見ていきましょう。
三手大陰線
下落相場で大陰線が3本続けて出現したら、反転して上昇する可能性が高くなります。
ただし、高値圏で出たときはさらに下落することもあります。
たくり線
大陰線の後に下ヒゲの陰線(カラカサ)が出現したら上昇シグナルです。
下ひげの長さが反発の強さを表します。
やぐら底
大陰線の後、しばらく小さいローソク(コマ)が連続し、その後で大陽線がでて船底のような形ができたら上昇相場になるサインです。
逆襲線
始値が前の終値のずっと下になり、急反発して大陽線になるものの、前の足の安値に届かない状態。
反発して上昇するサインです。
上放れタスキ
こちらもスキマができるパターンです。
上昇相場で、前の終値よりもずっと上で寄り付いた後、前の足型の範囲内で陰線になって「タスキ」ができると、更に上昇します。
5-2-3 ローソク足組み合わせの下落シグナル
三羽ガラス
上昇相場が続いた後、始値が前の高音を下回り、陰線が3本連続して出現したら下落のシグナルです。
カブセ線
上昇相場で、始値が前の陽線よりも高くなったものの、買いが続かず反落して陰線になったもの。下落のサインとなります。
上位の十字線
上昇相場の中で、上にスキマを開けて十時線が出たら注目! その次に下に放れて陰線が出現すると大暴落のサインとされています。
【基本編6】ローソク足の重要パターンとは
6-1.長いヒゲで陰陽転換(ローソク足のパターン1)
最初に紹介するのは「長いヒゲで陰陽転換パターン」ですね。
じゃあ、復習も兼ねて、あゆみんは次にどっちの方向に動くと思う?
そうです。正解です!
このローソク足のパターンは、「長いヒゲをつけて陰陽が転換した時は、そこからトレンドが真逆になる」というものです。
一般に、トレンドが転換するのは、トレーダーの心理状況が変化する時です。
上の図だと、トレーダーの心理は、「継続的に上がってるな」と安心してた状況から、「続けて上がると思ったのに(上向きにヒゲが伸びたのに)、一気に下がってヤバイ!」と焦る状況に一変します。
皆が「わっ、俺の予想違ってた。すぐ売らないと!」ってなるので、上昇トレンドから下降トレンドに変わるんです。
これは前にも話しましたが、相場というのは、永遠に上がり続けるということはありませんし、下がり続けるということもありません。
常に「上がる」と「下がる」を繰り返し、一方に偏り過ぎたら必ず逆向きに戻ってバランスを取っています。
また、このパターンでは「陰陽が転換するまでに、どれだけエネルギーが偏ったか」が重要になります。
つまり、上昇に偏れば偏るほど、その後に激しく下降します。
逆に、2回しか陽線が続いてない状態(傾きが小さい状態)だと、「長いヒゲで陰陽転換パターン」の信憑性は低いですね。
なので、陽線が連続すればするほど、「そろそろ下がるぞ」と心構えをしておくことが大切です。
陰線と陽線が逆でもこれは同じです。
この図は、先ほどとは陰陽が逆になったものですが、考え方は同じですね。
「陰線」「陰線」「陰線」と続いて、マイナスのエネルギーが貯まった後、「下ヒゲの長い陽線」がでると、この後は上昇トレンドになります。
陰のエネルギーが貯まった後に転換したら、その後は陽に向かってエネルギーが逆噴射するイメージです。
ただし、いつもセオリー通りにチャートが推移するとは限りません。
なので、セオリーの逆パターンについてもお話しておきます。
ここまでの話と一見矛盾するんですが、本当に大きな上昇トレンドのときは、長いヒゲで陽線から陰線に転換した後も、更に陽線が続くことがあります。
そうなんです。
この場合は「直前の陰線のローソク足の高値を直後の陽線の終値が超えるかどうか」がポイントになります。
直前の高値を超えたときは、本当に大きな上昇トレンドがきた可能性が高く、その後もしばらく上昇することを期待できます。
逆に、直前の高値を超えない場合は、セオリー通り、上昇に使ったエネルギーの分だけ下降する可能性が高いです。
陰線の場合も、セオリーの逆パターンがあり得ます。
図のように「陰線」「陰線」「陰線」から「下ヒゲの長い陽線」がきた後に、ここから上がると見せかけて下がるケースですね。
このように、上がる(セオリー通りにいく)と見せかける動きをトレード用語で「騙し」と言ったりします。
で、上がるという騙しから、更に下がる時って、釜の底が抜ける感覚なんです。
値下がりの恐怖に耐えられなくなって、皆が我先に逃げようとします。そのまま、崖を落ちるようにチャートも一気に落ちます。
先程もお伝えしたように、チャートの値動きって、トレーダーの心理が反映されるんです。
だからこそ、トレーダーの心理をあらわす「長いヒゲ」は、非常に重要なシグナルになります。
特に、長い足(4時間足や日足など)では、ヒゲに注目することをおすすめします。
6-2.超大陽線・超大陰線(ローソク足のパターン2)
次に、2つ目の重要パターン「超大陽線・超大陰線パターン」について、解説します。
超大陽線とは、文字通り、大きい陽線のことです。同様に、超大陰線とは、大きい陰線のことです。
例えば、この図は超大陽線ですね。
このように、ある期間(例えば1時間)の間に、とてつもなく大きく上がったり大きく下がったりする場合には、その後のチャート推移を読みやすくなります。
この場合では、「陰線」「陰線」「陰線」と連続した後に「超大陽線」が現れています。
この値動きが何を意味するかというと、一方に傾いたエネルギーがバランスを取るために逆方向に戻ろうとしてるってことです。
イメージとしては、陰線が続いて下げれば下げるほど、陽のエネルギーが実は蓄積されてるという感じです。
なので、陽の方向に転換した後は、この蓄積エネルギーを使ってその後も上昇トレンドになります。
ずっと下げ続けた後に上昇に転換してるので、最初に説明したパターンと似てますよね。
いわゆる「トレンド転換」ですね。
逆も同様です。
この図のように、「陽線」「陽線」「陽線」と連続した後に「超大陰線」が現れた場合も、トレンド転換が起きます。
この場合は、上昇トレンドから下降トレンドに転換するということですね。
このように、蓄積したエネルギーを戻す方向で現れる超大陽線や超大陰線は、明確なトレンド転換のサインなので、その流れに乗るようにしましょう。
ただし、超大陽線や超大陰線が現れるとしても、その直前のチャートが変わると、全く違う流れになります。
そちらも見ていきましょう。
例えば、この図のように「陽線」「陽線」「陽線」と続いた後で更に「超大陽線」が現れていた時にどうなるのかわかりますか?
いや、実はこの場合は、上がるのではなくて、下がる可能性が高いんですね。
この場合は、イメージでいうと、上がり続けた後、更に全エネルギーを使って上昇させた状態(上がり過ぎた状態)といえます。
打ち上げ花火で、小さい花火を連発した後に特大花火を打ち上げたら、その後はいったん静かになりますよね。
盛り上がり過ぎたエネルギーのバランスを取るために、一旦下がる方が自然という感覚です。
「陰線」「陰線」「陰線」と続いた後で更に「超大陰線」が現れた場合も、同様です。
つまり、下がり過ぎたエネルギーのバランスを取るために、この後は一旦上がっていくことになります。
ただし、チャートの動きはトレーダーの心理と直結してるので、陽線のケースと陰線のケースで微妙な違いがでます。
どんどん値上がりした場合に比べて、どんどん値下がりする場合の方が、人は恐怖とか不安を感じやすいんですよね。
下落とか陰のエネルギーって、なぜか人をパニックにさせるんです。
そうですよね。その結果、超大陰線は超大陽線のときよりも値幅が大きくなりやすいです。
基本的には陰線の方が長く出やすいっていうことですね。
こうやって短時間で大きな値動きが起こるっていうことは、ゴムを一気に引っ張るようなものなんです。
なので、引っ張ったゴムを手放したら、反動がおきるのと同じで、急な値動きが起きると戻しもでやすいんです。
つまり、陰線での急激な下げの後は、一気に上がりやすいということです。
戻しについて更に詳しく説明すると、
- 小さい陰線で徐々に下げていく場合
- 超大陰線で一気に下げていく場合
では、合計の下げ幅が同じだったとしても、その後の戻り方が異なります。
徐々に下がっていくときは、トレーダーの心理状態が「下がり傾向にあるなぁ」と慣れていく感じになるんですよね。
なので、その後の戻し幅も小さいことが多いです。
これに対して、超大陰線で急激に下がったときは、損したトレーダーが「ふざけんな。こんなの許せない!」ってパニック状態になるんですね。
その結果、下がった後で一気に上がったりします。
なので、超大陰線の値動きのタイミングでは、下がるトレンドに乗るよりも、逆張りで買いにいった方が勝てる場合が多いです。
FXのテクニカル分析も、難解な数値分析として捉えるんじゃなくて、心理学や自然現象として捉えることが重要です。
だからこそ、同じ超大線でも、陰か陽かによって性質が変わったりするんですよね。
こういった感覚を身につけると、具体的な手法を問わず、どんなトレードスタイルでも活用できる「チャートの見方」が分かってきます。
6-3.窓埋め(ローソク足のパターン3)
次は、「窓」を使ったテクニカル分析について話します。
「窓」とは、ある日の終値と翌日の始値の間に、価格の空白地帯がでることを言います。
金曜日にマーケットが終わり、土日休みを開けて月曜日にマーケットが開かれるので、通常であれば金曜日の終値と月曜日の始値の乖離はありません。
でも、土日に何か突発的な事態が起こるとチャートに窓ができます。
例えば、北朝鮮の打ったミサイルが着弾したとか、大地震が起きたとかがあると「金曜日の終値では売りたくない(或いは、買いたくない)」というトレーダーの心理が働いて、値段の乖離が起こるんですね。
また、基本的に、マーケットは「平均回帰」といって平均値に戻る習性があります。
ドル円で一時的に70円台をつけても、長い目で見れば平均値の117円とかに戻ってくる。
先程もお伝えしたエネルギーのバランスですね。
つまり、一時的に大きな窓ができて終値と始値が乖離しても、「この窓が埋まる方向に今後は値動きする」というのが相場のセオリーです。
また、人はどういう展開になるか分からない空白部分があれば、その空白部分を埋めたいという心理も働きます。
この空白部分が埋まったら(金曜日の終値に近づいたら)、皆が安心して、その後に上がるか、下がるかが決まります。
セオリーとしては、
- 弱いトレンドで窓が出たら、窓を埋める方向に相場が動く
- 強いトレンドで窓が出たら、一旦窓を埋めた後、元のトレンドで相場が動く
ということですね。
このように、窓はチャートパターンを読む上でかなり有効なサインです。
ですが、窓を開けることって、そんなに回数が多くないんですよね。
土日にFX相場に影響を与えるようなトラブルが起きることって、あまりないじゃないですか。
だからこそ、土日の間に何か大きなイベントがあった場合には、「週明けに窓が開いてるかもしれないぞ」という目線でチャートを見る意識が重要です。
回数が少ないけど重要なサインだからこそ、アンテナを張ってチャンスを掴みましょう。
6-4.ダブルボトム・ダブルトップ(ローソク足のパターン4)
では続いては「ダブルボトム」「ダブルトップ」というローソク足のパターンですね。
この2つは、これ単体で使うよりも他のチャートパターンと組み合わせることによって「騙し」を回避することに使えます。
例えば、最初に紹介した「長いヒゲ」のパターンがありましたが、これも今の状態だと、まだ、上に行くのか、下に行くのか、どちらか分かりません。
というのも、下に行くと見せかけて上に行く「騙し」があるからです。
こんな時に役立つのが「ダブルトップ」というローソク足のパターンです。
ダブルトップというのは、簡単に言うと、ダブルトップは上昇トレンドが終了するサインです。
以下の図がダブルトップです。
上昇トレンドに乗るかと思ったら、下げて、再び上昇トレンドに乗るかと思ったら、同じようなところで下げてということが2回続くと、上昇トレンドは終了するというサインです。
だからダブルトップの形を見れば、「売り」を行うのが基本ですね。
2回目の山がきて、下がった時に売ることができればOKです。
ダブルボトムというのは、その逆です。
下降トレンドに乗るかと思ったら、上げて、再び下降トレンドに乗るかと思ったら、同じようなところで上げてということが2回続くと、下降トレンドは終了するというサインです。
このように、ダブルトップやダブルボトムなどのいくつものテクニックを総合的に使える感覚が身につくと、騙しで失敗するリスクが減り、勝率が大幅にアップします。
焦らず確認してから丁度良いタイミングで取引することを意識するんです。
「他の重要パターン」と「ダブルボトム・ダブルトップパターン」を組み合わせる二段構えの癖をつけたら、トレードで勝ち続ける基盤をつくるうえでの強い武器になりますよ。
6-5.カップアンドハンドル(ローソク足のパターン5)
次は、カップアンドハンドルというローソク足のパターンですね。
カップアンドハンドルについては「テクニカル分析とは」という記事で詳しく触れたので、簡単に復習しておきますね。
まず、カップアンドハンドルは、最初に下がり、一定のところで反転して最初の地点まで値段を戻して、また少しだけ下げて、再び最初の地点に戻ってきたら、そこから一気に上に上がるというパターンです。
図のように、カップに持ち手(ハンドル)がついたチャートになりやすいので、「カップアンドハンドル」と呼ばれています。
なぜ、このような動きをするのかというと、まず、下落から始まったことで「売り」をしていたトレーダーはカップの底の地点まで利益を上げることができました。
ここで「売り」のポジションを手放せればベストですが、そうできずに、「まだ下がる」と思って、ズルズルと持っていたら、スタート地点まで、戻ってしまって、これまで出ていた含み益がなくなります。
この時のトレーダーの心理としては「あの時、利益確定していれば良かった…次は少しでも下がったら利益確定してやる」というものです。
だから、次に下げた時に、一気に値段が跳ね上がるんでした。
1回目に大きく下げた後に戻って、2回目も小さく下がったものの戻ったというとこは、この間に下がったエネルギーの分だけここから上がると捉えることができます。
なので、ベストなのは、2回目に戻ったタイミングで「買う」のがコツでしたね。
そこから一気に上昇エネルギーが吹き出します。
また、大きく下がったところか回復した1回目のタイミングで「売る」のも有効です。
このタイミングでは、価格が回復した安堵感で売る人が多く、この後さらに下がりますからね。
カップアンドハンドルについては、4時間足や1時間足で判断するのが有効です。
単にチャートの形を覚えるだけじゃなくて、そのタイミングでのトレーダーの心理を意識しながら、取引を行うようにしましょう。
6-6.同じ高値・同じ安値(ローソク足のパターン6)
次は、同じ高値・同じ安値のローソク足のパータンですね。
このローソク足のパターンは、同じ「高値」or「安値」が二回続いたら、トレンドが転換するというパターンですね。
例えば、以下の図は、「同じ高値」のローソク足パターンですね。
まず、高値が同じだったら、そこから下降トレンドになることが多いです。
この理由としては、同じ高値で終わったということは「強い上昇トレンドではない」と読めるからなんです。
本物の上昇トレンドであれば、2回目の頭が1回目の頭を超えるケースが多いんです。
だからこそ、同じ高値で終わったということは、「そろそろ下がりそうだな」という判断材料になるんですね。
そして、2個目の頭で上向きに長いヒゲがあれば、「長いヒゲで陰陽転換パターン」も組み合わさっているので、次は高確率で下落調整になります。
つまり、デイトレードだったら、翌日は朝イチで売ってその日の終わりで決済するっていうことができるんです。
これは、かなり有効なパターンですね。
この図のように同じ底値がでた場合には、同様の原理で、この先が上昇トレンドになることが多いです。
そうですね。
同じ高値・同じ安値のパータンは、ダブルトップ・ダブルボトムのパターンの応用と考えてもらえればOKです。
「ただ単にトップが2回ある(或いは、ボトムが2回ある)」だけじゃなくて、「それらが同じ高値(或いは、同じ安値)」ということに着目するんですね。
また、同じ高値・同じ安値のパータンでは、長めのスパン(例えば1ヶ月間)での同じ最高値や同じ最安値がでると、チャートパターンの信頼性が上がります。
複数の重要パターンを組み合わせて考えたり、チャートの形だけじゃなくて時間軸も考慮したりすることで、安定して勝てる状態に近づいていけます。
6-7.トレンドライン逆張り(ローソク足のパターン7)
では、最後に、「トレンドライン逆張りパターン」を解説します。
まず、トレンドラインというのは、ローソク足に沿って3点を結ぶ直線を引ける線のことですね。
これは、ヒゲでも、ローソク足の本体(始値・終値)でもどちらでも大丈夫です。
例えば、以下のようなものが、トレンドラインですね。
通常は、どう言われているのかというと、「トレンドラインが引けるという事は、その流れがこれからも続いて行く可能性があるので、それに乗りましょう」という事です。
例えば、上の図だと、上昇のトレンドにあるので、「買い」をやりましょうってことが言われるんですね。
でも、実は、それは落とし穴なんですね。
なぜなら、それは先ほど解説したように、ずっと同じ方向にトレンドが続くということはあり得ないからです。
そう考えた時に、きれいに3点を繋げるようなトレンドラインを引けるということは、かなり長い期間、同じトレンドが続いてるってことですね。
だから、本当は、3本も引けてしまったら、逆方向に触れやすいんです。
エネルギーが一方に偏りすぎてて、ここから引き戻しが起きるからです。図の場合だと、長期間ずっと上がりすぎたので、ここから下がるということですね。
下降トレンドが長く続いた場合も同様で、3点を繋げるような長いトレンドがでたら、そこから逆の調整が入って上がります。
3点繋ぐのは、連続するローソク足でもOKですし、離れたローソク足でもOKです。
「きっちりとトレンドラインが引けたら、流れが変わるから、逆張りすることで勝ちやすい」というのがポイントですね。
6-8 ローソク足分析の頻出パターン3つ
サポートとレジスタンスの引き方が分かったところで、ここからが本題です!
ローソク足分析の頻出チャートパターン3つを順番に解説します。
- 三角保ち合い
- Wトップ・Wボトム
- ヘッド&ショルダーズ
6-8-1 三角保ち合い(持合)
三角保ち合いは別名、「トライアングルフォーメーション」、「ペナント」「フラッグ」とも呼ばれ、上昇・下落の途中でよく出現するパターンです。
高値と安値を結んだトレンドラインが時間とともに徐々に知事まって三角形を作り、その後、上下どちらかに大きく動く傾向があります。
上図のチャートは三角形の保ち合いを形成した後に大きく下落したケースです。
三角保ち合いの後は上昇と下落どちらも可能性がありますが、出来た三角形の頂点の向きによって傾向はあります。
図のように、出来た三角形の左上が直角に近く、レジスタンスが水平で安値が切り上がっていく三角保ち合いは上昇に向かう可能性が高いです。
左下が直角に近く、高値が切り下がり、サポートが水平な三角保ち合いは下落しやすい傾向があります。
注意点としては、価格が三角形のラインを抜けても迷いが生じて方向が定まらないことも多々あります。
三角保ち合いもレンジ内の動きですから、レンジを抜けてからが大きな動きになる、という見方も出来ますね。
6-8-2 Wトップ・Wボトム
上昇相場で2つの山を作った後に大きく下落するパターンをWトップ、下降相場で2つのたにを作った後に大きく上昇するパターンをWボトムと呼ぶとお伝えしました。
ここでは実際のチャートに現れた例を見てみましょう。
図の点線はネックラインといって、1回目の反発①の後はレジスタンスとして機能し②、Wボトムを完成してレジスタンスを超えた後はサポートに変わります。
実際には、Wトップの2つの頂点が全く同じ価格になることはほとんどなく微妙にずれていて、Wトップが出現しても思った通りに動かないことも多くあります。
惑わされないためには、三角保ち合いと同じで、Wトップも部分的なレンジと考え、「どこでレンジブレイクが起こっているのか」に注目すると良いでしょう。
6-8-3 三尊天井(ヘッド&ショルダー)
3つ目のパターンは、これまたよく登場する「ヘッド・アンド・ショルダー」、別名「三尊天井」です。底値圏で現れたときは「逆ヘッド&ショルダー」「逆三尊」とも呼ばれます。
真ん中が大きく飛び出た3つの山が人の頭と肩に見えることから、ヘッド&ショルダーズと呼ばれます。
三尊とは、大きな阿弥陀如来像の左右に小さな脇仏が並んだ3人セットの仏像のこと。
ヘッド&ショルダーが高値圏で現れると強い下落のサインになります。
Wトップと同じく、価格がネックライインを割ると、ネックラインはレジスタンスとして機能します。
【基本編7】ローソク足の分析実践編
7-1.ローソク足の分析(陽線)
まず陽線のパターンで、その後の値動きの展開を予想していきましょう。
そのためには、きちんとエネルギーの流れを見なければいけません。
ローソク足を見て、そのローソク足のエネルギー状態が、次の値動きにどういう風に繋がるのか。
それを追いかけるイメージを持って下さい。
では、まず1つ目です。
これは分かりやすいと思います。
そうですね!これだったら、どっちの方向に値動きがおこりそうかわかりますか?
- 終値と高値が同じ
- 下ヒゲがとても長い
そうですね!正解です!
下ヒゲがとても長いということは、まず、今「下がる」陰の方向にエネルギーの偏りがあり、これから上昇する可能性が高いということです。
さらに高値と終値が同じなわけですから、陰のエネルギーが反転し、これから「上がる」陽のエネルギーが最高に蓄積されている状態で終わったというのがわかるわけです。
なので、その後の値動きの予測としては、値段が上がる可能性が高いんですね。
また、注意点としては、相場のこれからの流れは、これまでの流れが大きく影響しています。
仮にこれまでの相場の流れが陰線続きだったとしますね。
このパターンが出た場合は、通貨の値段が上に跳ねる可能性が非常に高いんです。
これまでの大きな流れで見たときも、「陰」のエネルギーを大きく蓄えているわけですから。
更に言うと、例えば、この安値が半年分の安値、一年分の安値ををつけたあとの流れだった場合、ほぼ間違いなく、流れが切り替わるサインなんですね。
もちろん、このローソク足が5分であれば、多少反対に動く可能性はあります。
あくまで5分という短い間だけの動きですから。
ですが、それをまた4時間、1日、週という風にマクロで見たときには変わってくるんです。
先ほども言いましたが、相場を分析する際にはマクロな視点とミクロな視点を連動させていくことが大事なんですね。
もちろん、瞬間的には反発するのでスキャルピングでも、これは勝率が高いパターンではあります。
なので、今回のローソク足があれば、基本的には飛び乗っても構いません。
そうですね!次も同じ陽線のパターンで、上ヒゲが長い場合を扱ってみましょう。
では、このパターンを見た時、どんな分析ができそうですか?
そうなんです。このパターンは上にヒゲが伸びているので、始値から終値へ行く間に、一度上へ跳ねているんですね。
でも、最終的には高値よりも低いところに終値がきているので、一度上へ跳ねたけど、押し返されている状況だということです。
もし、このローソク足が陰線だと、その後は通貨の値段が下がっていく確率が高いんですが、今回は陽線となっているので、もう少し全体の流れから分析する必要があります。
例えば、ここにくるまでに相場が上がっていたとします。
この場合、これまでの流れとは変わって、一旦上へ行く流れがストップする可能性が出てくるんです。
上にいこうとするエネルギーが、上からのプレッシャーが強く、押し返されてる状況なんですね。
とはいえ、値段がすぐに下がるとは限らないんですね。
というのも、上へ行こうとするエネルギーは相変わらず強い状態だからです。
だから、一旦横へ動くサインでもあるんです。
なので、もし横へ抜けた後、一気に上へ行く流れができたらその流れはかなり強いものになりますね。
なぜなら、先ほどまで上へいこうとしていたエネルギーを全部蓄えているからです。
要するに、バネのような感じになっているんですね。
バネって上から押さえると反発しますよね?
そういった原理だと思ってもらえれば理解しやすと思います。
ちなみに、もしもう一度上へいく流れが止められて落ちてしまった場合、それは「ダブルトップ」と呼ばれるローソク足の典型パターンになります。
簡単に言うと、上へ行く流れが二回目も止められてしまったら、今まで蓄えていたエネルギーの勢いがなくなって、陰の方に行く流れができるんですね。
そんな風に、ローソク足の形だけではなく、全体の状況も観察しながら、次の相場の流れを読んでいくことが重要なんです。
では、3つ目へいきましょう!
3つ目のローソク足はこんな感じです。
さて、このローソク足からどんなことを読み取れますか?
そうなんです。実はトレードの参加者も同じ心情で、上がるか下がるか判断しかねている状況なんですね。
そういった状況があると、このあと起こる展開は、どんどん値動きが小さくなっていって、始値と終値の差が圧縮されていくんです。
圧縮され続けて、これ以上圧縮できない状態になったら、どちらか一方にまた弾けるんです。
これは値動きがどちらに行くかは分からないので、非常に値動きが予測し辛いので、基本的にはトレードしない方がいいです。
例えば、「ここは値段が上がるかもしれない」と思って、お金を突っ込んで勝てたとしても実力ではありません。
この記事を読んでいる人は、そのようなギャンブルはしないで下さいね。
さて、ここまで3つのパターンについてお伝えしてきましたが、陽線に関しては、この辺を捉えておけば相場の流れが切り替わるポイントが分かるようになるでしょう。
なので、まずはこの3つのパターンを押さえることから始めて下さい。
7-2.ローソク足の分析(陰線)
そうですね!では、次は陰線のクイズ出していきます。
基本的には陽線の逆になるだけなので、そんなに難しいことはないですよ。
それでは、早速1つ目いってみましょう。
さて、このローソク足をみて、どんな分析ができますか?
そうですね。
今回はヒゲがなく、下っているので、終値と安値、始値と高値の値段が一緒ということです。
では、それが一体何を表しているのか?
それは、高値が一度も始値を上回ることがなかった。
つまり、陰(下がる)のエネルギーのワンサイドゲームだったということです。
具体的に言うと、始値が高値だったわけですから、終値までずっと落ちているわけです。
なので、陰の力が圧倒的に支配している状態だということです。
つまり、ヒゲもないので、相場の流れの転換も起き辛い状況なんですね。
なので、このあとは通貨の値段が、しばらくズルズルと落ちていきやすいんです。
なので、僕たちトレーダーとしてはじっと見守るしかありません。
これがヒゲのないパターンのローソク足の特徴と言えます。
そうなんです。それでは、2つ目にいってみましょう。
このローソク足を見て、どんな分析ができそうですか?
そうなんです。
今回の場合だと、少し下ってからあまり変化が見られない状態だということです。
流れの転換ポイントではないですね。
なので、このローソク足からはあまり情報が読み取れないんですね。
もちろん、このローソク足の前後の状況によって読み取れるものも変わってきます。
とはいえ、この1個だけ見たら、ちょっと下ったなという程度の認識になります。
では、3つ目にいきましょう。
さて、今回はほとんど潰れてる感じにはなっていますが、このローソク足からはどんな情報が読み取れると思いますか?
そうですね。
これは上に上がった勢いが、上からプレスされて下ってきたイメージを持って下さい。
なので、勢いとしてはちょっと弱いかなという感じもあります。
こんな感じで陰線のパターンも3つほど解説してきましたが、ローソク足のもつ情報や次の値動きの展開がイメージできましたか?
今回はローソク足の「陽線」と「陰線」の両方の動きを探っていきましたが、実は、この2つは鏡のような関係にあります。
結論を言うと、「陰線」か「陽線」のどちらか一方が分かれば、片方の動きも分かるということです。
7-3.ローソク足の分析(その他の形)
実は陽線と陰線のどちらでもないパターンがあります。
では、具体的に例を見てみましょう。
例えばこれですが、これは期間中に全く相場が動かなかったことを示しています。
つまり、安値、高値、終値、始値、全部同じってことです。
こういうことが起こることはほぼないんですが、あるとすれば、取引所が落ちてシステムが停止し、値動きがなくなったときでしょう。
こういった稀なパターンもあるということも一応、覚えておいて下さい。
では、2つ目にいきます。
このタイプのローソク足を見て、どんな分析ができそうですか?
そうですね。
今回の場合は、終値と始値に変化がないですが、高値と安値にはある程度差がある状況になっています。
つまり、値段を上げるエネルギーと下げるエネルギーが拮抗してるということですね。
実は、こういう状況が続くこともあるんです。
こんな動きですね。
これは値動きがないように見えると思います。
実はこの時って、相場のエネルギーを蓄えている時でもあります。
詳しく解説しますが、前提として理解して欲しいのは、マーケットはその値動きの分だけエネルギーが消費されているということです。
つまり、値段が上がったり下がったりした時には、その値段が動いた分だけマーケット全体のエネルギーが使われているってことなんですね。
だから、どこかのタイミングでエネルギーを蓄えないといけないんです。
そのエネルギーを溜めているのが、十字線なんですね。
つまり、エネルギーを溜めているということは、これから大きく動いていくサインでもあります。
さらに、例えばこういう十字線が日足や週足で出ると、非常に強いエネルギーが溜まっていることになります。
なぜなら、一日分、一週間分のエネルギーが溜まることになりますから。
そうなんです。
では、3つ目にいきましょう。
さて、このローソク足からどんな情報を読み取れますか?
そうなんです。
今回はヒゲは伸びてますが、安値と終値が全く一緒になっていますね。
これは、値動きはあっても、結局最後は同じところへ戻っていたパターンのことですね。
「値段が上がるのか?」って思ってたら下がってきて「な〜んだ、結局同じか」って参加者のみんなは思うわけですよ。
でも、実はこういう時って、参加者の中に安心感が生まれたりするんです。
というのも、誰しもそうなんですが、相場には常に「コンフォートゾーン(安心領域)」というものがあります。
参加者はその範囲に値動きが収まっていると安心できるんですよ。
結局のところ、プラマイゼロなんで、損はしてないってことですからね。
そして、値動きがそのコンフォートゾーンの枠から出ると、参加者に恐怖の感情が出たり、逆に期待が高まったりして、一気に値動きが荒くなったりするんです。
なので、今回のようなローソク足だと、その後の値動きもある程度安定することが多いです。
なぜなら、参加者の間に安心感が芽生えているから、みんな一息ついてる感じになるんですね。
このような感じで、「陰線」や「陽線」以外のローソク足でも、相場の分析だけでなく、参加者の心理まで予測することができます。
常に冷静にローソク足から様々な情報を読み取っていきましょう!
そういったことを常に意識して、ローソク足について学んでほしいなと思います。
【基本編まとめ】ローソク足の読み方
ここまでは「ローソク足とは何か?」について解説してきました。
ローソク足とは、過去の通貨の値動きを表したチャートの形から通貨の値動きの分析する「テクニカル分析」で使う指標の一つでした。
そして、ローソク足には基本的に、
- 陰線:期間終了時に値段が下がっている
- 陽線:期間終了時に値段が上がっている
- 始値:期間始めの通貨の値段
- 終値:期間終了時の通貨の値段
- 高値:期間内での最高の値段
- 安値:期間内での最低の値段
の6つの情報が含まれていましたよね?
さらに、時間軸の話でいうと、
- 分足
- 時間足
- 日足
- 週足
- 月足
という風にいろんな時間軸でローソク足を見ることができます。
ですが、ローソク足は相互的に作用しているので、ミクロな視点だけでなく、マクロの視点でも分析できるようになることが重要だということもお話してきました。
その次に、「ヒゲ」についても解説しました。
ヒゲは、相場のエネルギーの偏りを見抜くのに、便利な指標でしたよね?
そのエネルギーの偏りから、次の値動きを予測することもできました。
そこから、実際にクイズ形式で様々なローソク足の値動きを解説しましたね。
まずは、紹介した陽線・陰線・陽線でも陰線でもない3つの基本パターンを覚えて、自分で相場を分析し、値動きを予測することから始めていきましょう!
【応用編1】シグナルを覚えて都度判断するのは大変!
ローソク足のシグナルをたくさんご紹介してきましたが、全部を覚えて、「今は売りなのか、買いなのか」と判断するのは困難です。
では、どうしたらいいのでしょうか?
1-1 一つの手法に特化するメリット
シグナルは車を運転するときの道路標識と一緒で、全部を覚えていなくても「よく通る道」の標識は何回も見ているうちに勝手に覚えますよね。
FXトレードの場合も、まずは手法を1つに絞ってエントリーのタイミングを徹底的に練習すると、関連するサインは何回も見ているうちに覚えられます。
例えば、逆張りだったら逆張りで「この手法」というのを1個決めて、その手法が使える相場でのみエントリーするようにするんです。
ローソク足のシグナルを確認しながら、ひたすら逆張りのタイミングを探して繰り返しエントリーしていると、だんだん微妙な違いも感覚で分かるようになってきます。
1-2 逆張りからのトレンドフォロー
逆張りからのトレンドフォローは、「FXのエントリーポイントの条件3つ|初心者はこれだけ押さえよう!」とかボクのメールマガジンでは動画でも詳しく解説しているんですが、エントリーポイントが分かりやすくて大きな利幅が取りやすい手法です。
トレンド発生ってなかなか教科書通りに見極めるのが難しいんですが、いくつかの条件が揃って起こるトレンド転換のタイミングなら、初心者でも勝率7割くらい行けます。
【応用編2】 ローソク足分析の基本!支持線と抵抗線
チャートのパターンを覚える前に、「支持線」と「抵抗線」という2つのラインを押さえておきましょう。
2-1 支持線(サポート)と抵抗線(レジスタンス)とは?
サポートラインとは日本語では「下値支持線」または単に「支持線」と言います。
相場が下落するときに抑えとなり、それ以上は下落しないと思われる水準のこと。
サポートラインはみんなが意識する相場のポイントになっていて、サポートラインまで下落して何度も止められているため、サポートライン付近まで価格が下落すると売りから入った人たちが利益確定して買いに回るので、それ以上価格が下がらなくなります。
サポートラインでは、2回、3回と同じ価格帯で跳ね返されて、しばしば「ダブルボトム」や「トリプルボトム」のような値動きを見せます。
ところが、ひとたびサポートラインを割り込むと大きく下落する可能性が高くなります。
サポートライン付近で買った人の損切りで売りが殺到してそれまでの安値が更新され、新規で売りから入る人も増えるためです。
しかし、一旦サポートラインを割った後でまた上昇する「だまし」もあるので注意が必要です。
また、より長い時間足のサポートラインが強い傾向がありますので、時間足・分足を主に使う場合も、日足でサポートラインの価格は確認しておきましょう。
レジスタンスラインは日本語で「上値抵抗線」または「抵抗線」と言います。
相場が上昇するときの抵抗となり、それ以上には上昇しないと思われる水準のこと。
高値で何度も上昇が止められている点を繋いでできる水平線がレジスタンスラインになります。
レジスタンスラインもサポートラインと同じく、市場に参加している人たちがみんな注目しているポイントで、今まで買いポジションを持っていたトレーダーが利益確定をする目安となっています。
何回も同じ価格帯で上昇が止まり、しばしばダブルトップやトリプルトップの形を作ります。
レジスタンスラインを突破して上昇すると、レジスタンスライン付近で売りから入った人の損切りと、新規の買いが殺到して価格が急上昇しがちです。
2-2 サポートとレジスタンスの逆転
サポートを価格が下抜けたときは、サポートがレジスタンスに変わり、レジスタンスを価格が上抜けたときはレジスタンスがサポートへと、ラインが逆転する現象がよく起こります。
2-3 支持線と抵抗線の引き方
簡単なのは水平線を引く方法です。
直近の高値や安値から水平線を引いてみましょう。
そのラインで何度か反発するようなら、サポートまたはレジスタンスとして機能している可能性が高いです。
または、目立った高値同士、安値同士を結ぶと斜めに綺麗なラインが引けることもあります。
【応用編3】 実際のトレードで分析するときのポイント
例えば、同じヘッド&ショルダーでも、細かい形の違いでその後の流れが変わってきます。
図のように安値が切り下がっている場合は、さらに上昇する可能性が高いです。
または、肩の部分を左右で比べたときに右肩下がりになって高値が切り下がっていると下降トレンド転換する可能性が高くなります。
この他、そのままレンジに移行するケースや、ヘッド&ショルダーの後一旦下げてからまた上昇してヘッドの高音を超えていくパターンもありますし、状況によってはフォーメーションが全く役に立たないことさえあります。
実際のトレードでチャート分析を行うときは、以下のポイントを意識してください。
3-1 相場参加者の心理に注目する
複雑そうに見えるチャートの動きですが、買いが多ければ値段が上がる、売りが多ければ値段が下がる、というシンプルな原則で動いています。
例えば、「買い」には新規の買いだけでなく、売りポジションを決済しての買いも含まれます。
上記で紹介したような「サポート」「レジスタンス」も、みんなが直近の高値・安値を参照して「前回はここまで下がったから、この付近で利益確定しよう」などと一斉に決済するためにできる心理的なラインにすぎません。
なので、形は目安にしてもいいのですが、とらわれすぎずに、
- 相場参加者がどこに利益確定・損切りのポイントを置いているのか
- 現在は売り・買いどちらが優勢なのか
など、チャートから読み取れる心理状態に注目しましょう。
また、自分自身は感情的にならないでいることも非常に重要です。
3-2 予想と確定の中間でエントリーする
また、フォーメーションを発見したからと言ってあまりにも未来が不確定な早い段階でエントリーすると、トレンドにならなかったり、逆に行ってしまったりして失敗してしまいます。
かと言って、明らかにトレンドが発生し、未来が確定してからエントリーしようとタイミングを図っていると、乗り遅れることになります。
大きく勝つためのポイントは、「まだ完全に確定ではないけれど、可能性が50%よりも高い状態」つまり、優位性のある状態でエントリーすることです。
ローソク足のチャートパターンだけでなく、移動平均線やボリンジャーバンドなどのインジケーターも使うと、より根拠のあるトレードが可能になります。
で詳しくは【発展編】3-3で解説していますので、しっかりとチェックしてくださいね!
3-3 想定外の時の対応を決めておく
トレードの基本は「損小利大」、損切りは早く、利確は遅く、が鉄則です。
ところが、人の心は「失うこと」に痛みを感じるようにできているため、
- 損切りは先送りしたい(失うことを確定させたくない)
- 早く利益確定したい(含み益を失いたくない)
という心理が働き、勝つためのセオリーとは真逆の行動を取ってしまうのです。
なので、初心者は特に、エントリーするときには必ず「出口」を決めておくことが非常に重要なのです。
どこで利益確定&損切りをするか決めておき、エントリーと同時に指値・逆指値の注文を出しておきましょう。
この注文方法を「OCO注文」と呼びます。
後はどっちに転んでも「待つだけ」にすることによって、自分自身の魔の手から利益を守ることができます。
3-4 トレンド転換を狙うおすすめの手法
上でも解説したように、トレンドフォローは流れが確定してから追いかけようとすると出遅れて利幅が取りにくくなり、なかなか教科書通りには行かず難しいもの。
その弱点を解消するのが、トレンド転換の可能性の高いところで逆張りっぽく入って、転換後のトレンドにいち早く乗る「逆張りからのトレンドフォロー」なのです。
この手法はボクが専業トレーダーをやってたときに先輩から伝授してもらったやり方で、その前はレンジの逆張りばっかりやってたんですが、一気に勝てるようになりました。
詳しい解説動画は、無料のメールマガジンで配信していますので、興味のある人はぜひ登録して読んでみてください。
ボクは今、個人でトレードをやっていますが、トレードで稼いだお金は他のビジネスをやったり、仲間と色んな企画をやったりするのに使っています。
最近だとマイクロバスを買ってみんなで京都のお寺に遠足に行ったり、ちょっと集まれるようなコワーキングスペースを作ったりしました。
トレーダーって、中には引きこもってひたすらお金だけ増やしていく人もいるんですけど、そうはなりたくないと思うんです。
自分も周りも楽しいことや便利になることにお金を使っていきたいし、そういう仲間が増えたらいいなと思うので、ボクのトレードの知識やスキルは惜しみなくお伝えしていきます!
【応用編まとめ】ローソク足分析
では、ローソク足分析のまとめです。
ローソク足分析のポイントは…
- サポート・レジスタンスはみんなが注目している節目の価格
- 三角保ち合い・WトップWボトム・ヘッド&ショルダーはトレンド発生のサイン
- ただし、形通りに動かないこともあるので、直近の高値・安値には注目!
- そして想定外に備えて逆指値注文は出しておくこと
- 3つのチャートパターンを覚えておくと「逆張りからのトレンドフォロー」がはかどる!
ローソク足の分析で、トレンドの波に乗ろう!
【発展編1】 ローソク足の本・FX初心者におすすめ
それでは、ローソク足を更に極めるためにオススメの本を紹介していきます!
1-1 ずっと使えるFXチャート分析の基本
ずっと使えるFXチャート分析の基本 (シンプルなテクニカル分析による売買ポイントの見つけ方)
田向 宏行 (著)
「FX初心者が読むべき本」でもご紹介した、ローソク足チャートの基礎の基礎から学べる1冊です。
初心者によくある失敗で「チャートのパターンを覚えて、その通りにエントリーすればいいんだ!」と思ってる人がいるんですけど、それだとなかなか教科書通りに行かないので苦労します。
形に惑わされないためには「値動き分析」の原理原則を知っておく必要があるのです。
『ずっと使えるFXチャート分析の基本』では、
- 値動き分析に欠かせない「四本値」の確認方法
- ローソク足で高値・安値の更新がどう分かるのか?
- 実際のチャートで値動きを追う方法
などが、図解で分かりやすく解説されています。
特に注目のポイントがこちら。
テクニカルを使う勝ち組は、為替相場が動くメカニズムを知っています。
複雑そうに見える物事も、できるだけ単純化・簡素化していくと本質が見えるものです。それは複雑そうな金融市場でも同じです。
相場が動く理由は単純で、
・価格が上がる理由=買いが多い
・価格が下がる理由=売りが多い
これだけです。売り手より買い手が多ければ、価格は上がります。これに異を唱える人はいません。
そして買い手より売り手が多ければ価格は下がります。
そして、この買い手には売りポジションの損切りなどの「売り手の決済による買い」も含みますし、逆に売り手には、「買いポジションの決済つまり反対売買の売り」も含まれています。
ただ、これらの決済(反対売買)もどの程度の量が出ているかは分かりません。
これらを含めて売り手と書い手のどちらが優勢かを判断するのがFXチャート分析なのです。
(80ページより)
色んなローソク足のパターンや、チャートパターンがありますが、それらも全て売りと買いのパワーバランスで描かれていて、形ができるのには「そこでエントリーまたは決済したい心理的な理由」が必ずあります。
その原則を知った上でチャート分析をした方が精度が上がるんですね。
ちなみに、著者の田向さんは「トレーダーにファンダメンタルズ分析はいらん!」という立場で、徹底して値動きを追って勝ち組の流れに乗るという堅実なトレードスタイルで勝ち続けてきた人です。
もしも、FXがまだギャンブル感覚で一発当ててやろう!みたいに思っている人が読むと目からウロコだと思います。
推奨されている手法は、水平線を使ったシンプルなトレンドフォローの順張り。
弱点もありますが、初心者にも分かりやすく王道の手法なので、しっかり覚えておくと良いでしょう。
テクニカル分析の本は何冊か読んだことがあるんですが、RSIとかMACDとか一目均衡表とか色んなテクニカル指標に目移りしてしまって、ローソク足の値動きをおろそかにしてたことに気づきました!
色々なテクニカル指標の本を読んだけどなかなか結果が出ない人は、この本でローソク足分析の基本に立ち返ってみるといいと思います!後半はちょっと難しかったので、繰り返し読んで勉強したいです
1-2 ローソク足チャート究極の読み方・使い方
ローソク足チャート究極の読み方・使い方 (儲かる!相場の教科書)
伊藤智洋 (著)
目次より
第1章 ローソク足チャートの基本
第2章 「転換のパターン」の読み方・使い方
第3章 「継続のパターン」の読み方・使い方
第4章 ローソク足チャーの読み方の精度を上げる方法
第5章 損失を最小限に抑える具体的な仕掛けのやり方
1本のローソク足の読み方から酒田五法、トレンド転換とトレンド継続のパターン、押し目買いの実例まで、ローソク足チャートの基本が全体的に学べる、まさに教科書的な本。
論理的で簡潔にまとまっていて分かりやすいですが、やや具体例が少ないので何回も読みながら実践して理解を深めていくのが良いでしょう。
チャートの動きを投資家の戦略が記録された「年表」になぞらえて、傭兵である投機家が有利に戦うためにみるべきポイントや戦場での戦い方を解説しているのがユニークです。
初心者がローソク足分析の基本的な考え方を覚えるのには十分ですが、中級者にはちょっと物足りないかも。
1-3 〈相場に勝つ〉ローソク足チャートの読み方
目次より
第1章 投資家の心理・行動と相場サイクル
第2章 「ローソク足」チャートは投資家心理を語る
第3章 「勝ち組」への秘訣
第4章 「ローソク足」チャートの複合線はこう読む
ローソク足の基本形5種類、ローソク足複合のパターンがなんと合計56種類も解説されています。
さらに、それぞれの場面でどのような投資家心理が働いているのかも詳しく解説されてて、チャートからストーリーがわかるようになります。
株の話が中心で基本日足ベースの話になっている点には注意が必要です。
例えば株だと日足の終値が大きな意味を持ちますが、FXは市場が24時間オープンのため終値よりも高値・安値の方が大きな意味を持つ、といった違いがあり、株ではよく見かけるけどFXではあまり見かけない形というのもありまます。
それを差し引いてもFXトレードにも共通する内容が沢山ありますので、ローソク足の基本を覚えたい人にはおすすめの本です。
出版年が20002年とやや古く、文体や画像もモノクロ印刷でちょっと地味ではありますが、ずっと役立つ本質的な内容です。
1-4 FX チャートリーディング マスターブック
FX チャートリーディング マスターブック ~為替のプロが実践する本当に勝てるワザを大公開!
井上義教・株式会社オスピス (著)
目次より
第1章 チャートリーディングの基本を知ろう!
第2章 ローソク足は相場を知る最強のツールだ!
第3章 移動平均線の本当の意味を探ってみよう!
第4章 MACDの効果的な使い方をマスターしよう
第5章 便利なストキャスティクスの正しい活用法
第6章 ボリンジャーバンドのここに注目!
第7章 プロのトレード戦術のキモをマスターする
第8章 これがチャートリーディングの実態だ!
第9章 低リスクで実践的なトレード手法
第10章 正しいマネージメントが大切
第11章 勝ち組投資家のルーティンワークの中身
ローソク足分析を始め、いろいろなインジケーターの使い方や筆者のトレード手法まで紹介されています。
300ページもあるボリューム満点ですが、中身は「読み物」っぽく、丁寧に解説されて難しくはありません。
「一応、ローソク足チャートの読み方がわかる」レベルの人なら十分に理解できるでしょう。
ローソク足については、注目のローソク形、ヒゲの長さの見方、日足のチャートを重視すべき理由、などに重点を置いて解説。
実際のチャートや著者の経験談なども豊富です。
具体的な手法については必ずしも全て賛成しませんが、トレーダーの考え方や感覚を学ぶのにはとても良い本だと思います!
どれか1冊だけ読むなら『ローソク足チャート究極の読み方・使い方』か『ずっと使えるFXチャート分析の基本』がバランスが取れていて、よくまとまっています。
がっつり勉強したい人は『ローソク足チャート究極の読み方・使い方』か『FX チャートリーディング マスターブック』が読み応えがあります。
株にも使える色々なローソク足のパターンを覚えたい人は『〈相場に勝つ〉ローソク足チャートの読み方』を持っておくと良いでしょう。
【発展編2】 ローソク足の本・中級者〜向け
続いて、中級者〜ややマニア向けのローソク足の本です!
2-1 あなたのトレード判断能力を大幅に鍛えるエリオット波動研究
あなたのトレード判断能力を大幅に鍛えるエリオット波動研究
一般社団法人日本エリオット波動研究所(著)
目次より
第1章 波動の基本構造
第2章 5つの基本波形(詳細)
第3章 8つの「ガイドライン」
第4章 エリオット波動のカウントの事例研究
第5章 問題形式で考える「シナリオ想定」の基本
第6章 エリオット波動によるトレード戦略
第7章 エリオット波動の源流を探る
「研究」と題するだけあって、エリオット波動について本格的に掘り下げたテキストです。
エリオット波動は「FXのエントリーポイントの条件3つ|初心者はこれだけ押さえよう!」にちょろっと登場しましたが、ものすごーく簡単に言うと、「相場には上昇・5波・下降3波のサイクルがある」と言う理論のこと。
上の記事では「そういうものだから」で済ませていた詳細部分が詳しく解説され、実践で使うための様々な戦略も紹介されています。
エリオット波動を学ぶ意義について、筆者は次のように述べます。
実際、エリオット波動分析を的確に使うことにより
・今波動のどの位置にいるのか(上昇はどうや下落はどうの序盤か中盤か終盤か)
・今後どちらの方向に行くのか(上昇か下落か)
・どの地点まで動くのか(上昇や下落の目標)と言うような問題に対する判断能力が格段に高まります。
(キンドル位置No.153より)
白黒印刷でパッと見は論文のようで固そうな印象ですが、練習問題などもあり、中級者以上の人なら面白く読めると思います。
2-2 パターンを覚えるだけで勝率7割超! FXチャートの読み方
パターンを覚えるだけで勝率7割超! FXチャートの読み方 〜欧米投資家が好んで使うプライスアクションの教科書
陳 満咲杜 (著)
目次より
序章 トレンドが形成される背景とは?
第1章 FXの真実・プライスアクションとは何か?
第2章 プライスアクションをより輝かせる最強テクニカルGMMAの見方、使い方
第3章 プライスアクション+GMAAを使った実戦売買
第4章 相性抜群!トラッキングトレードとプライスアクション&GMMA 仮想通貨にも使える!
プライスアクションとは、ローソク足の動きから売りと買いの攻防を読み取り、次の展開を予想する方法です。
値動きから人間特有の感情や思考、行動パターンを読み取り、市場参加者の見えない力関係を判断して勝ち馬に乗るのがFXトレードにおける勝利の近道。
本書では、プライスアクションの基本形の説明、チャートパターンの中で買い・売りの注文を入れるポイント「秘伝の18シグナル」を解説。
日本でよく使われる酒田五法の足型の名前に比べて種類が少なくシンプルにまとまっています。
FXに特化したローソク足の分析方法なので、チャートの読み方の基本が分かっている人には読みやすいと思います。
2-3 フィボナッチ逆張り売買法
目次より
第1部 パターン認識に基づいたトレードについて
第1章 はじめに
第2章 幾何学的なパターンとフィボナッチ比率
第3章 調和のとれた数字とその使い方
第2部 色々なチャートパターンとそのトレード方法
第4章 AB=CDパターン
第5章 ガートレー222パターン
第6章 バタフライパターン
第7章 三段上げ・三段下げパターン
第8章 フィボナッチ・リトレイスメントに基づいたトレードと色々な時間枠のチャートの使い方
第9章 伝統的なテクニカルパターン
第10章 トレンドデイの理解とそのトレード
第3部 トレーディングでの大切な条件
第11章 トレードマネジメント
第12章 フィボナッチ比率に基づいたオプションのトレード
第13章 トレーディングプランの構築
第14章 毎日すべきこと
「フィボナッチリトレースメント」は上昇相場の押し目や下降相場の戻りの目標価格を判断する指標のこと。
イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ氏が研究した「フィボナッチ数」は植物の花びらや葉の付き方など自然界の現象に多く出現し、「調和のとれた数」「黄金比」として知られています。
そのフィボナッチ数を使った比率、38.2%、または61.8%がトレードでも多くの人に視覚的な安心感を与えるため、反発が起こりやすい地点の目安として使われているのです。
第1部はフィボナッチ数の応用、第2部はパターンごとの具体的なトレード手法の話、さらに第3章ではトレーダーとしての行動指針が書かれています。
翻訳なのでややくどくて読みにくいところはありますが、日本で一般向けに出回っているフィボナッチの本の中では一番詳しいと思います!
インジケーターに頼らないローソク足分析を極めたいなら『プライスアクションの教科書』がおすすめです。
『エリオット波動研究』や『フィボナッチ逆張り売買法』はよっぽど興味がある人向け。
ここまでローソク足についての本を初心者向けと中級者向けに分けて紹介してきました。
一気に全部を読む必要はありませんので、まずは初心者向けの本の中からどれか1冊読んでみてください!
【発展編3】 ローソク足チャート分析の勉強法5ステップ
具体的には、次の5つのステップで学習するのがおすすめです。
- ローソク足の正確な読み方を知る
- 値動きの考え方を学ぶ
- ローソク足の種類やパターンを覚える
- 基本のインジケーターと組み合わせて使う
- 実践で仮説と検証を繰り返す
なのですが、それ以前にFX取引の基本が怪しいかもっていう人は、そもそものFXとは何なのか?からしっかり勉強しましょう。
相対(あいたい)取引って? 資金管理の方法、レバレッジなどは最低限知っておかないと、せっかくチャート分析ができてもちょっとの負けであっという間に資金を失ってしまうことになりますよ!
FXの基本が学べる記事はこちら↓
- FX入門|これだけは押さえておきたい、初心者のための基本知識
- FXの仕組みを図解で解説!利益と損失の仕組みをはじめから丁寧に
- FX初心者のためのレバレッジの計算方法・リスク管理とは?損失に怯えずトレードが上達する方法をご紹介
準備はOKですか? では、ローソク足の読み方の勉強法からご紹介しましょう。
3-1 ローソク足の読み方を知る
まずはローソク足の1本1本の正確な読み方から覚えましょう。
FX初心者向けの本やブログを開くと、だいたいこんな説明は載っていると思います。
始値より終値が高く、期間中に値上がりしたのが陽線、始値より終値が安く、期間中に値下がりしたのが陽線です。
上の図では陽線が赤・陰線が青になっていますが、色はまちまちで白黒だったり赤青が逆転していたりすることもあります。
もし、もう一度確認したい場合は【基本編3】をご覧ください!
四本値はどのツールでも表示することができますので、細かな値動きを確認するには四本値をチェックするクセをつけましょう。
3-2 値動きの考え方を学ぶ
ローソク足のチャートを勉強していくと、色んなパターンが出てきて「形さえ覚えておけば良い」となりがちです。
ですが、値動きの原理が分からないままで形だけを暗記するのは、数学で公式の導き方がわからないのに暗記して使っているようなもの。
それでは教科書通りに動かない時や、微妙に形が崩れた時に対応が難しくなってしまいますので、値動きの原則を知っておきましょう。
例えば、ゴミみたいなものでも状況によっては値段が付くことがあります。
フリマアプリで、トイレットペーパーやラップの芯やプリンの空き容器、写真のフィルムケースなどが数百円〜量によっては数千円で売られているのをご存じですか?
子供の学校の工作に使うなどの理由で「お金を出してでも欲しい!」という人がいると、値段が付くんですね。
欲しい人に対して物の供給が少ないと、値段が高くても売れるようになります。
逆に、欲しい人が少ないのに物の供給が多すぎると、値段を安くして何とか売り切ろう、ってことになりますよね。
為替の値動きも、原理は全く同じです。
買いたい人が多ければ、価格は上がる。売りたい人が多ければ、価格は下がる。
実にシンプルですね!
では、FXで売りたいとき・買いたいときって、どんなときでしょうか?
そう、売り・買いは新規もですが、利益確定や損切りの場合もあります。
ということは、相場に参加している人たちが「どこで利益確定や損切りをしようと考えるか?」によって、ある程度は値動きの予測ができるんですね。
ローソク足の分析とか、いろんなチャートパターンも、こういう場合はここでみんながこういう動きになりやすい、という傾向のことです。
なので、「単純に形がこうだから」ではなく、「値動きがこうなって、こういう心理が働いているから」と、自分なりにシナリオを予想することが大切です。
値動きの原理・原則については、紹介している本で勉強すると良いでしょう。
3-3 基本のインジケーターと組み合わせて使う
値動きを表すローソク足はチャート分析の基本ですが、インジケーター(テクニカル指標)も組み合わせるとトレンドやエントリーポイントを見つけるのに役立ちます。
移動平均線は一定期間の終値の平均を示す曲線で、大まかなトレンドを知るのに役立つ指標です。
図のように、ローソク足はギザギザしていますが、曲線の方向で長期的に上がっているのか下がっているのかがわかります。
ボリンジャーバンドは、統計学的に値動きが上下のラインに収まる確率をもとに相場の反転やトレンドを判断するのに使われます。
ローソク足がバンドからはみ出るかどうか、またバンドの幅からもトレンドが分かります。
他にもいろんなインジケーターがあり、それぞれ「この部分は分かる」っていう得意分野があります。
ですが、インジケーターの種類を増やせば値動きの全てが分かるというわけでもありません。
むしろ、チャートの画面が線だらけになって何をどう判断して良いか分からなくなります!
移動平均線やボリンジャーバンド、その他のインジケーターの使い方は以下の記事で詳しく解説しています↓↓
3-4 実践で仮説と検証を繰り返す
ここまでインプットしたら、いよいよ実際のチャートを分析してみましょう。
と言っても、いきなりリアルタイムのトレードではなく、過去チャートを使って、勉強した形がどう現れるのかたくさん探します。
覚えたチャートパターンやローソク足の組み合わせを見つけて、「こういう流れできて、今こうだから、次はこうなるかな」と仮説を立ててどうなるか検証するのを繰り返すことで感覚をつかめます。
過去チャートの分析には「Forex Tester」などのシミュレーションツールを使うと良いでしょう。
過去を遡ったり、いろんな期間足や通貨ペアに切り替えたりして、自分の仮説を検証し、予想通りに行くときと行かないときの違いを考えましょう。
過去チャートで感覚がつかめてきたら、それをリアルのチャートでやるだけです。
このとき、全部の動きを読んで「いつがエントリーポイントだろう?」と分析するのは大変なので、手法を1個に絞って「この条件が揃ったらエントリーする」というタイミングを待っている方がやりやすいと思います。
(参考・FXデイトレードの5つのコツ|初心者よ、勝てない戦は始めるな)
また、慣れないうちはデモトレードでも良いのですが、身銭を切った方が真剣にやるので上達は早いです。
トレードの練習方法については以下の記事もご参考にどうぞ↓
3-5 ローソク足の勉強法まとめ
では、ローソク足の勉強法のまとめです。
- ローソク足を勉強する意義は、値動きから相場参加者の心理を読みとり、根拠のあるトレードができること。
- 勉強の流れは、FXの基礎を頭に入れてから、値動きの原則、ローソク足の見方、組み合わせ、チャートパターンと順に学んでいくこと。
- インプットしたら、過去チャートシミュレーションソフトを使って、練習し、感覚がつかめてから実際のトレードでもやってみよう。
FXの勉強には、こちらの記事もオススメです↓
【まとめ】ローソク足徹底マスター
今回はまず最初に、ローソク足の【基本編】をお伝えしていきました。
各部位の呼び方、ローソク足の代表的な種類、ローソク足のパターンなどですね。
また、初心者が陥りがちなローソク足の学習の罠についてもお話しました。
沢山のチャートパターンに目移りしてると、1つも身につけられないまま、テクニカル分析に苦手意識を持ってしまいます。
なので、最初は重要パターンだけを反復練習して、徐々に新パターンを覚えていくのが上達のコツです。
次に、ローソク足の【応用編】として、実践的なローソク足の重要パターンも紹介しました。
- 長いヒゲで陰陽転換パターン
- 超大陽線・超大陰線パターン
- 窓埋めパターン
- ダブルボトム・ダブルトップパターン
- カップアンドハンドル
- 同じ高値・同じ安値パターン
- トレンドライン逆張りパターン
また、これらのパターンは全く別物というわけではなく、複数のパターンが組み合わされてチャートに現れることもあるとお伝えしましたね。
最後に【発展編】として、ローソク足を実践で使いこなすための勉強法についてお伝えしました。
全てに共通するのは、「他のトレーダーの心理状態はどうなっているか?」「エネルギーは偏っているか整っているか?」というマクロな視点の重要性ですね。
テクニカル分析は、トレーダーの心理状況やエネルギーの偏りを視覚化するための手段にすぎません。
なので、チャートの形だけを覚えて機械的にトレードするのではなく、視覚化した情報をもとに心理状況やエネルギーを総合的に考え、トレードに活かしていきましょう。
この記事だけでも十分にローソク足を使いこなせるようになりますが、更にボクが開発した勝率6~7割超えの最強手法についてはメルマガでお伝えしています。
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P.S.FXについてどこからはじめて良いかわからない方はこちらの記事から読んでみてください!
P.P.S.
FXで自由な時間とお金が欲しい? まずはこの記事で「FXトレーダーの真実」を知ってください…。
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為替・FXランキング
1984年生まれ。埼玉県出身。大学卒業後、ゴールデンバーグヘイマイヤーユニコムジャパン(証券会社)や、SAアセット株式会社(ヘッジファンド)を渡り歩きながら、トレーダーとして、毎月400万以上の安定的な利益を出し続ける。2012年にトレードの情報発信を開始し、起業し、年収1億円を達成。その後、最高の仲間たちと出会い、一緒に飲食店のプロデュース、映画作り、コミュニティ運営、トレード指導、妻と娘との自由な時間など、忙しくも充実した毎日を送っている。数々のトレーダーを生み出したことをきっかけに、YouTubeでも発信をはじめ、たった数ヶ月で約4万人のチャンネル登録をされ、数百人の前でセミナーをすることも。ただ稼ぐだけでなく、FXトレーダーが真に充実して幸福な人生を送るために必要なことを、多くの人に伝える活動をして、プロトレーダー育成に力を入れている。