FXで自由な時間とお金が欲しい人に元専業トレーダーが伝えたいこと

FXのマインドセット・メンタルコントロール
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兼業トレーダーの海沼光城(かいぬまみつしろ)です。

「専業トレーダーになりたいです!」というメールをよくもらいます。

FXトレーダーは自由な時間とお金を手に入れて、会社にも行かなくていいし、好きな時に旅行に行ったり飲みに行ったり、楽しそうでいいなぁ…。

どういうわけか、専業トレーダーにはそんなイメージがあるようです。

確かにそういう光の面もあるけれど、闇の面はあまり知られていません。

ボク自身、もともと専業トレーダーをやっていて、周りのトレーダーたちの闇を嫌という程見てきたし、自分でも経験したので、その実情をお伝えできたらと思います。

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ボクが専業トレーダーになった理由

ボクが専業トレーダーになったのは、「人から指図されずに、自分がやりたいようにやりたかった」からでした。

ここでは詳細は省きますが、幼少期から結構大変な人生で、人付き合いも得意じゃなかったので、会社に入って上司の言いなりになって、いろんな人と協力し合って何かするっていうのが嫌で仕方なかったんです。

なるべく人と関わらずに、一人でやりたかった。

でも、大学生の頃は起業するような知恵もなかったので、生活していくためには就職しなきゃいけないなとは思っていました。

嫌々やっていた就活だったからか、面接は60社ぐらい落ちまくり、最後にやっと内定が出たのが、とある証券会社でした。

2006年、入社して初めてトレードというものを知ります。

トレーダー部門は普通の会社員と違って実力主義で、職人の徒弟制みたいな雰囲気がありました。

誰も手取り足取り教えてくれず、技術は見て盗むもの。

結果を出して転職しながら条件を良くしていくのが当たり前で、独立して個人トレーダーになる人も多い。まさに、一匹狼の世界です。

ボクは「これだ!」と思い、トレード部門への配属を願い出ました。

ちなみに、当時の愛読書は矢沢永吉さんの『成りあがり』。

よし、トレードで成り上がってやる。誰からも指図されず、自分だけで自由に全て決められる、一匹狼のような人生を目指そう!

そして足を踏み入れたトレーダーの世界で、とんでもないものを目にすることになります。

頭のネジがぶっ飛んでるトレーダーたち

映画『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』には、ランチタイムにコカインをキメているぶっ飛んだ上司が登場しますが、ボクが出会ったトレーダーの先輩たちも、ちょっとおかしい人が多かったです。

入社して間もない頃、上司から

「ポートフォリオって何か分かる?」

と聞かれました。ポートフォリオっていうのは、投資の世界ではリスク分散のために株式や債券などの銘柄を組み合わせて保有する資産の意味なんですけど、ボクはそんなの知りません。

「何かの冊子ですか?」ととぼけた返事をすると、上司はデスクをバーンと叩いて、

「なんだテメェはそんなことも分かんねえのか! 出てけ!」といきなりブチギレ。

ボクは、とんでもないところに来てしまったのかもしれないぞ、と思いました。

その上司は、普段は冷静だけれどよく分からないところにキレるスイッチがあって、毎日のように罵言雑言を浴びせられることになります。

ニューヨーク時間の夜中の3時ごろにボクのパソコンにリモートで入ってきたかと思うと、電話がかかってきて

「お前、マウス動いてねーぞ!仕事してねぇだろ!」

と怒鳴られたこともありました。

入社後、トレードの本を片っ端から読みあさって猛勉強し、デモトレードでは勝てるようになったボクでしたが、リアルではボロ負け。半年経っても全く成果が出ませんでした。

上司からは

「お前ほどトレーダーに向いてないやつはいない。方向転換は早い方がいいぞ」

と嫌味を言われたりする日々が続き、9ヶ月目にはとうとう資金を吹っ飛ばしてクビになってしまいます。

次に受かった運用会社の3ヶ月目にようやく芽が出て、毎月2〜3万ドルの利益を出せるようになりました。

そこでトレードを教えてもらっていた先輩のKさんという人もまた、ぶっ飛んだ人でした。

トレーダーとしては凄腕で、地下に大きなモニターが並んだディーリングルームがあるような立派な家に住んでいたのですが、その家がオシッコ臭いんです。

Kさんはポメラニアンの犬を飼っているんだけど、全くしつけがされていなくて、そこら中にオシッコやウンチをしているんですね。

ツーンと鼻をつくアンモニア臭が漂う中に、Kさんは平気で住んでいるのでした。

あとは病弱だったり、やけに女好きだったり、世間的にはちょっと大丈夫かな?っていう、トレードの腕はすごいのにどこか欠落したような人が多かったです。

トレーダーとは、そのぐらいストレスフルな仕事なのです。

専業トレーダーの理想と現実

チャートは人をイライラさせるような動きばかりします。

自分がエントリーしていない時はアッサリ行くくせに、いざエントリーすると急に揉み始めて全然動かない。

損切りラインの手前で耐えて、耐えて、やっと少し上がったかと思ったら、また下げて損切りラインになって、損切った後で何事もなかったかのようにヒゲをつけてまた上がって行く。

本当に、相場は人を不愉快にするために存在しているんじゃないかと思うくらいです。

ずっとチャートを見てトレードしっぱなしの専業トレーダーは、当然、そのイライラを蓄積します。

発散するためにお酒やタバコ、バカ喰いをしたり、部下や家族に当たり散らしたり、といった破滅的な行動を取るんです。

中には、そうじゃない「純粋にトレード楽しい!」みたいな天才も一部います。

しかしボクの場合は例に漏れず、トレードでストレスを溜めてしまう方でした。

相場の時間に合わせて朝から次の日の明け方までチャートに張り付きっぱなしで、帰りにコンビニで2リットルのコーラを買って一気飲みするのが日課になっていました。あと、タバコは1日に1箱。

今思うとめちゃめちゃ不健康だったなーと思います。

これは後で知ったんですが、ストレスを感じながら手に入れたお金はストレス発散のために使ってしまう傾向があるそうです。

キャバ嬢が稼いだお金をほとんどホストクラブで散財しちゃうようなものですね。

せっかく何億も稼いだトレーダーが、ゲームに課金しまくったり、海外旅行で豪遊したり、またはギャンブルみたいなトレードで吹っ飛ばしたくなるのは、こういうワケなのです。

自由な時間とお金を得られても

2012年8月に独立して個人トレーダーになってからは、ワケのわからない上司もいなくなり、それまでのスキャルピング中心のスタイルをスイングに切り替えて時間の余裕もできました。

収益は月間3万ドルちょっとくらい。

トレードとは別にビジネスも初めました。ビジネスは1年ちょっとで収益が1億円を超える上々の滑り出しです。

時間もお金もあるので、好きな時に寝て、起きて、好きなだけトレードやビジネスをやって、あとは本を読んだりジムに行ったり、旅行に行ったり。

そんな気ままな生活を送っていました。

羨ましいと思う人もいるかもしれませんが、内心はかなり悲惨でした。

相変わらずのコーラにタバコにカップ麺みたいな不健康な生活は続いていて、出勤する必要がなくなった分、家に引きこもる時間が増えました。

この頃からよく、何だかわからない不安と恐怖に襲われるようになりました。

今はついて来てくれているお客さんも、きっとそのうち離れていって、裏切られるかもしれない…。

手が冷たくなって、ぶるぶる震え、「うわぁあー!!」と大声で叫んでいたこともありました。

その時ボクは家で一人でいるから暗くなるんだと思っていて、とにかく無条件の人とのつながりを渇望していまた。

ところが、結婚して子供ができても、家族ともどこか表面的な関わりになって、孤独感は消えません。

お世話になった人を自分から裏切るようなこともしてしまいました。

人のことを心の底から信じることができなくて、「この人と関わっても自分の得にならないな」と思ったらバッサリ関係を切ってしまう。

それはまるで、人間関係をロスカットするような感覚でした。

それがトレーダーの世界では当たり前だったから。

感情を殺すと人はどうなるか?

自分の感情に振り回されないことは、トレーダーに必要な素質です。

緊張しても思い切ってエントリーする。早く利確してしまいたいのを我慢する。勝っても喜ばず、負けても悔しがらず、自分のトレードルールを淡々と守る。

これができないと勝ち続けるのは難しいので、トレーダーは感情を殺そうとします。

すると、冷静なトレードができるようになると同時に、普段から物事への関心が薄れて、嬉しいとか悲しいとかの感情が出てこなくなります。

冷めてて嫌〜な奴になっちゃうんですね。

全てを損得や合理性で物事を判断する。人を人間性ではなく、お金や成果の数値で見る。

「キミ何ができるの? どのぐらい稼げてるの? ふーん」みたいな、冷たい感じです。

いつの間にか、ボクも人を損得でしか見られない冷たい人間になっていたのです。

「この人はトレード大したことないから、正直、関わらなくてもいいかな。はい、ロスカット」みたいな。

それは自分にも跳ね返って来ました。

周りにそういう冷たい人ばかり集まるので、ボク自身もまたそういう風に見られるようになっていたんですね。

このままじゃまずい。なんとかして自分の生き方を変えたい。

そんな葛藤を抱えながらも機械的にトレードを続けていたある日の明け方、ふと、一通のメールが目に飛び込んで来ました。

心を取り戻す

それは、ボクが以前にものすごくお世話になったのに一方的に離れて裏切ってしまったNさんからのメールでした。

関わりのあるいろんな人たちで集まって懇親会をやるというお知らせです。

今更どのツラ下げて…って感じですが、その時はもうとにかくワラにもすがる思いで「行って、謝ってこよう」と思いました。

そして、懇親会当日。おそるおそる会場に足を踏み入れると…

「海沼さんじゃないですか!久しぶり!」
「あっ、海沼さんだー!奥さんも元気?」
「おかえり」

お世話になった方も、仲間もみんな、何事もなかったかのように歓迎してくれたのです。

誰一人、ボクのお金やトレードの能力やビジネスが得になるかどうかなんて計算していなくて、ただ、仲間として、一人の人間として、本心から気にかけてくれているのが分かりました。

気がつくと涙が溢れていて、何年ぶりかに、こっそり、泣きました。

こんなに暖かい人たちがいるのにボクは、自分からシャッターを閉じて受け取り拒否していたんだ…!

この出来事がキッカケでボクは、感情を殺すのではなく、感情に支配されるのでもなく、人との繋がりや暖かさを感じながらトレードをする道を模索するようになりました。

「何でも屋トレーダー」になろう

一番変わったのは、トレードをやって得た収益や空いた時間をみんなのために使うようになった点です。

渇望していた「無条件の人とのつながり」を感じて、みんなの暖かさに触れたら、ボクもみんなのために何かしたい、という気持ちが自然に湧いてきたんです。

これは、自分でもびっくりしました。

Nさんのつながりでお茶の先生と一緒にぷらぷらお茶屋さんに行ったり、みんなで乗れるバスを買って神社やお寺を巡ったり、仲間にご馳走したりお土産を買って帰ったり。

神社にも行くし…

バスの運転手もします。

あとは、本当にいい思いでやってる飲食店には、毎回食べに行って人を呼んでご馳走したりして、いっぱいお金を落とすようにもして、たまに裏でお皿を洗ったりするときもあります。

1ヶ月の中で東京大阪間を何回も行き来して、九州とか三重とか、あっちこっちに行っていろんな人を手伝ってます。

コミュニティのみんなのために借りてる部屋の掃除もします。

一匹狼に憧れた昔のボクでは考えられないことですが、今は人を雇って育てているし、別ジャンルの講師の人とジョイントして色んな企画もやってます。

小田真嘉さんと。

みんなで映画上映会企画。

あとは、トレードで学んだことを無料のYouTube動画にして配信したり、別のジャンルに置き換えて話したりして、みんなの学びになるようなコンテンツ作りにも力を入れています。

もはや自分がトレーダーだという自覚はあまりないです。

色々やっているようですが、全部が「循環を起こす」のが目的なのは共通しています。

以前のボクがそうだったように、人と関わらないで、トレードの利益を自分のところに溜め込んでいると、どんどん暗く、冷たくなってしまいます。まるで水が流れていないと淀んでいくように。

これは国の規模でも言えることで、どれだけ経済政策をしてもインフレにならないで経済が停滞するのは、個人のところに溜め込んで循環が起きていないからです。

経済が世界的に冷え切っているから、意図的にバブルを起こさないと成長して行かない。これは、今までの資本主義の問題だと考えます。

個人、会社、組織、国…、規模は違っても、自分が良ければそれで良いという考えで、自分たちが得た利益を枠組みの中に留めようとして、外と交流させることができない。

奇しくも、令和の新しい1万円札に描かれる渋沢栄一は「公の精神」を説いた人ですね。

公のために働くと、巡り巡って個も潤う。和して協力しあうのが、これからの時代の流れにもなっていくんじゃないかなと期待しています。

ちょっと話が大きくなりました。

ボクが何が言いたかったかというと、専業トレーダーになってトレーディングルームに引きこもっているよりも、トレードで稼いだお金を枠の外で使って循環を起こす「何でも屋トレーダー」が増えたら面白いんじゃないの?ってことです。

金融という仮想世界のお金を現実の世の中に引っ張ってきて、みんなの役に立つことにじゃんじゃんお金を使う。

そんなトレーダーの枠組みを超えたトレーダーが増えたら、経済が潤うだけでなく、トレーダー自身も心の温かさを取り戻すことができます。

お金の使い道は何かビジネスをやっても良いし、寄付しても良いし、自分が空いた時間に近所を掃除するでも、誰かに喜ばれることなら何でも良いんです。

もちろん、自分の食事や住環境を整えるのにお金を使うのも、たまに旅行でリフレッシュするのも、健康で明るく元気に働けたらみんなのためになりますから、自分のためにお金を使っちゃダメというわけではないですよ。

大事なのは、生活の中で「繋がり」や「循環」「暖かさ」が感じられることです。

家族が誕生日を祝ってくれました。

経済的に苦しい人は、今はまだ自分の自由なお金と時間のために稼ぐのでも構いません。

じゃんじゃん稼いで、余裕ができた分を周りの人に分けてあげるぐらいで良いんです。

ボクのYouTube動画メールマガジンでもFXの考え方や手法は無料で公開していますので、勝ててない人は参考にしてもらえたらと思います。

おわりに

人は誰でも、心の奥深くでは、誰かの役に立ちたいと思っています。

ところが、トレードってそれ自体では何かを生み出しているわけじゃなくて、むしろ誰かが損したお金が集まってきてるだけなので、心のバランスを崩しやすいんですね。

トレードで勝つことは悪いことでも何でもありませんが、どこかで「誰かの役に立つこと」をしてバランスを取る必要があります。

気持ちが元気でクリアでいられると、トレードも安定します。

不思議なことに、ずっと一日中チャートに張り付いているよりも、忙しくしてチャートが気にならない時間が長い方が、パッと見たときに流れがよくわかるんです。

だからボクは、「何でも屋トレーダー」でいたいし、そういう仲間が増えたら良いなと思うので、情報発信をしています。

みんなで光のトレードしましょう!

もし共感してもらえたら、この記事をブックマークまたはシェアしていただけたら嬉しいです!

ありがとうございました。

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1984年生まれ。埼玉県出身。大学卒業後、ゴールデンバーグヘイマイヤーユニコムジャパン(証券会社)や、SAアセット株式会社(ヘッジファンド)を渡り歩きながら、トレーダーとして、毎月400万以上の安定的な利益を出し続ける。2012年にトレードの情報発信を開始し、起業し、年収1億円を達成。その後、最高の仲間たちと出会い、一緒に飲食店のプロデュース、映画作り、コミュニティ運営、トレード指導、妻と娘との自由な時間など、忙しくも充実した毎日を送っている。数々のトレーダーを生み出したことをきっかけに、YouTubeでも発信をはじめ、たった数ヶ月で約4万人のチャンネル登録をされ、数百人の前でセミナーをすることも。ただ稼ぐだけでなく、FXトレーダーが真に充実して幸福な人生を送るために必要なことを、多くの人に伝える活動をして、プロトレーダー育成に力を入れている。

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